きれいなDX推進のわな。現場の暗黙知から始まる本物のデジタル化

大企業を中心としたDXブームが起きたとき、中小企業・零細企業の多くも、「我が社もDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する!」と高らかに宣言し、高額なコンサルタントやシステムを導入。最新のクラウドシステムなども用意したものの、現場からは「かえって入力作業が増えた」「結局これまで通り紙でメモを取ってからPCに打ち込んでいる」というような、悲鳴が上がっているケースがあった。

経済産業省のレポートなどでDXの重要性が叫ばれて久しいが、多くの中小企業・零細企業が陥るわなは、システムを入れることなどのDX化自体が目的化してしまい、現場の泥臭い実態から完全に乖離していくことが多かった。

便利なツールを導入すれば、自動的にすべての業務が効率化し、魔法のようにデータが連携するという幻想に踊らされた経営層・リーダーは少なくない。そしてそれは製造ラインや営業の最前線では見事に打ち砕かれる。

本物のデジタル化とは何か。華やかなITツールを並べることではけしてない。現場の人間が握りしめる「アナログな手帳」や「傷だらけのノートPC」に宿っている、長年の「暗黙知」の構造を直視することからしか始まらないのだ。

このコンテンツはサイト会員限定です。 すでに会員の方は、ログインしてください。 新規ユーザーの方は、以下から登録してください。